松本望太郎

「物語」というのは、読者に読んでもらって、共感してもらう為にものすごく重要です。あなたがコアメッセージや世界観を表現していった時に、この物語を上手に使えるかどうかで相手に分かってもらう、共感してもらう、相手をこちらに引き込むということの深さが変わってきますから、ぜひ、使いこなせるようになってほしいなと思います。チラシにも活用できるので、美容室の集客にもプラスですよ!



物語は潜在意識にスルリと入ってくる

例えば、「あなたは知らず知らずに固定概念に縛られているかもしれないよ」という話を読者に伝えたいとします。それを、ただ単にそういうメッセージで伝えるんじゃなくて、物語で伝えていきます。例えばこんな感じの物語はどうでしょうか。

お祭りの時期にやってくるサーカスを、毎年楽しみにしていたとある男の子。特に巨大な体を揺らしながら曲芸をこなし、愛嬌のある表情で長い鼻を伸ばす象の演技が1番ぼお気に入りだった。

しかしその年、男の子はサーカスのテントの裏で、ちっぽけな杭に繋がれた象の姿を見て、ある疑問が湧いた。

「あれほどの巨体なら、いくらでも自由になれるはずなのに」

男の子は逃げ出さない象のことが不思議でたまらなくなった。だから象の謎について父親、先生、周りの大人たちに聞いてみた。しかし誰もその訳を知らなかった。

そんなある日、たまたま町にやってきたと言う賢者に出会った。男の子は他の大人に投げかけた、象の質問をしてみた。すると、賢人は男の子の顔を覗き込みながら、こう答えた。

「サーカスの象が逃げないのは、生まれたばかりの小さな子象の時から杭に繋がれているからだよ」

その話を聞いた男の子は、生まれたばかりのか弱い象が杭に繋がれているところを想像した。

生まれたばかりの子象は、自分の体から生えている4本の足が何のためにあるのかを知ろう、と走り出してみる。ところが、杭に繋がれた鎖が邪魔をして、自由に走り回ることができない。薄暗い部屋からわずかにのぞく、外の世界を見てみようと、テントの縁に鼻を伸ばしてみても、やはり足の鎖が厄介だ。

押したり、引いたり、懸命になって鎖から逃れようとしたに違いない。しかし、どんなにがんばっても、その鎖から逃げることができなかった。

子象にとってその杭はあまりに大きすぎたのだ。

疲れ果てては眠りにつき、次の日もまた同じことを繰り返す。次の日も、そのまた次の日も。そして、ついにある日、象は逃げることをやめた。足についた鎖と杭はこういうものなのだと理解をした。

そう。これこそが、象が逃げない理由だった。

サーカスの人気者として活躍する象は、今やどれだけ自分の体が大きくなったとしても、杭がちっぽけであったとしても、できないと思い込んでいるから逃げないのであった。

上記のようにに、固定概念にあなたも縛られているかもしれないよ、という話をする時に、物語にしていきます。すると単純に固定概念に縛られているかもよというメッセージを受け取るよりも、引き込まれますよね。

この物語の力を、ぜひ、活用していってほしいなという風に思います。

物語を読むことで読み手が疑似体験をします。

あたかもその世界にいるように物が見えたり、音が聞こえたり、体感覚的にも体験をしたりする。

この疑似体験によって、読み手の内側に自分のメッセージがスルリと入り込むことができるんです。

この疑似体験をいかに読み手にさせてあげるかで、自分のメッセージの届き具合が変わってきます。

物語の書き方の2つのポイント

物語を書くといっても、なかなか難しいと思う人もいると思いますが、意外と実は簡単です。2つコツがあります。そのコツをお伝えします。

場面描写を小説のように丁寧にする

まず1つ目。場面描写を小説のように丁寧にしてみましょう。

例えば

「角にある美容室に電話で予約を取り、時間通りに私は店に行った」

という文章があったとします。これは、単純に事実ですよね。これだと、物語というより、ただ単に事実を伝えただけ、面白くはない。ですので、この場面描写を、小説のように丁寧にしてみます。


角にある美容室の店先にはたくさんの花がいつも咲き誇っていた。ピンク、赤、紫、ブルーと色とりどりに美しい。

そろそろ髪の毛を切りに行くかと思い、ふと気になったその店に電話をした。予想通り、明るくて気持ちのよい対応だ。テキパキとしたやりとりに心地よさを覚えながら、予約を取ることができた。

そしてその時間通りに私は期待に胸を膨らませて店に行った。しっかりと磨きこまれたガラス戸を開けると、カランカランと響きのよい音とともに、こんにちは、と迎え入れてもらった。


同じ文章ですが、場面描写を丁寧にするとイキイキとします。例えば、映像が見えたり音が聞こえてきたり。そして自分が、あたかもその経験をしているかのように、疑似体験をしているような感じになりますよね。

場面描写をきっちり書いてみてください。

登場人物のセリフを入れる

物語を書く2つ目のコツ。登場人物のセリフを入れることです。カギ括弧で閉じられている文章があるということです。

物語ですから、当然、登場人物がいます。その登場人物の会話、セリフがあるとイキイキとしてきます。逆に言えば、これが無いと物語感がほとんど出てこない。例えばこんな感じです。


「いっらっしゃいませ、こんにちは。松本さまですね。お待ちしてましたよ」
と明るく席まで案内してくれた。席に着くと、暑さを気遣ってくれた。

「あたたかいおしぼりと冷たーいおしぼりがありますよ。どっちになさいますか」
冷たいおしぼりをもらった。おお、これは冷えている。ホッと息をつける。

「暑い中、ありがとうございます。店のオーナーの三品です…」


と続いていく感じですね。

こういう風に会話を入れていきます。「おお、これは冷えている」この辺も心の声なのでカギ括弧はしてないですが、これも会話、セリフです。こういうセリフを入れてくると、登場人物が動き出してきます。その動き出している感じが、いわゆる物語になってきます。

最後に

物語を書く2つのコツを紹介しました。。1つ目が場面描写を丁寧にしようということ。もう1つが、セリフを入れるということ。

この2つを押さえていけば、あとはちょっと慣れたらいい感じでライティングライティングできますので、ぜひ、これを元に書き込んで、情報発信をしてもらったらいいなと思います。ブログやメルマガですね。

あなたが伝えたい事、コアメッセージだとかそういった事がお客様にスルリと届いていくようになりますよ。


松本望太郎

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