松本望太郎

今日は「引用を上手に使おう」というお話。この人の文章はすごく説得力あるな、いいメッセージだなというものは、ほぼ引用を上手に使っていますね。ぜひ参考にしてください。



誰が言っていることなのか、が大事になる

もし私が「失敗なんて気にすることないよ」といメッセージを誰かに発信したとします。「人生に失敗という言葉はない。そこにあるのは経験だけだ!」といった言葉を投げかける。

けど、私のことを知らない人が聞いたときに、
「そんな偉そうなことを言ってるけどそもそもあなた誰?」みたいな形で心に刺さらないわけです。

「人生に失敗という言葉はなし。そこにあるのは経験だけだ!」これは確かにその通りの言葉ですが、言う人によっては

「あなたが言っても響かないですよね」
「そもそもあなたはどんな人生を歩んでるんですか?」

というかたちになってしまうということなのです。


しかし、これを発明王のエジソンさんが言ったらどうでしょうか。

「私は5千回の電気がつかないという発見をしただけだ。だから失敗ではなく経験である」(エジソン談)

これはエジソンが電球をつけるという発見をした時の逸話ですね。ずいぶんたくさん実験に失敗しているので、「たくさん失敗して大変でしたね」という話を記者がしたときに次のように返したわけです。


「5千回の電気がつかないという組み合わせを見つけただけであって、1つ1つは失敗ではない。組み合わせを見つけたという経験であり、その集大成として今電気がついているんだ。だから、失敗という言葉はないよ」


エジソンが言っていると思うと説得力がありますよね。

あ~、そうだな。失敗というものは恐れるものではないな。何度失敗したって経験値が増してくるからどんどんうまくいく確率が増えるなと思いますよね。

つまり誰が言っているかというのは非常に重要なことなんです。

エジソンの言葉を引っ張ってきて自分の言いたいことを表現する。大リーガーのイチローの言葉を引っ張ってきて自分の言いたいことを伝える。

これを「引用」といいます。

ちなみに引用というのはメタファー(暗喩)ともいいます。暗喩とは例えるという意味ですね。

引用を使ってみる

ライティングをしていくときに説得力を出したいのであれば、あなた自身の経験、あなた自身の言葉で書くということも重要なんですが、それに加えて引用上手になってほしい。

ここぞという時に、偉人とか、誰もが知ってて何かを成し遂げている人の言葉や経験を借りて引っ張ってきてそれで伝えていく、ということも交えていくと非常に説得力が出てきます。

例えば引用の仕方としてはこんな感じです。

「あきらめなければ夢は叶う」というメッセージを伝えたいとします。それを伝えるために例えばこんな引用を使ってみたらどうだろうか。


1917年、ペンシルバニア州に生まれたピート少年。6歳のころ大リーガーにあこがれ、目指すようになった。

しかし野球が下手であった彼は練習しても練習してもチームメイトの足元にも及ばない。しかし努力だけは誰よりやった。情熱だけは誰にも負けなかった。

その努力が認められ、試合にでるようになった。そこから彼の快進撃が始まった。

結果を出し続けて、大リーグの直下の3Aのリーグで、ある年、打率3割3分3厘、盗塁68個でMVPになった。その翌年、彼は大リーグに昇格。

ついに迎えた初打席。彼は残念ながら空振り三振に終わった。しかし奇妙なことに観客はスタンディングオベーションで彼をたたえた。


実は、彼は子どものころに列車の事故に巻き込まれて、右腕は肩から先がなかった。

いわゆる隻腕の選手。だからプロになるまで、人の何倍も努力が必要だったのだ。彼は、振り返ってこう言っている。

A winner never quit.

勝利者は決してあきらない、という言葉だ。

あきらめなければあなたの夢は必ず叶う。自分を信じよう。


最後の1文が自分の言いたいことですね。そこまではピートという右腕がない隻腕の選手の話を引用しています。

私が単に「勝利者は決してあきらめない」と言っても刺さらないかもしれませんが、人の何倍も努力をして、ハンディキャップを見事クリアして、そして自分の夢を叶えた人が、「A winner never quit. 勝利者は決してあきらない」と言っていれば、人はあ~そうだなと思うわけですね。

このように引用を上手に文章にちりばめていって、自分の言いたいことを強固なものにしていただきたいと思います。

情報収集グセをつけましょう

引用元となる偉人や実力者の発言に通じていることが前提ですから、日頃からアンテナをはって知識量は増やしていきましょう。

Facebookだったり本だったり、テレビのドキュメンタリー番組だったり、いろんなところにネタは転がっているので、ネタをいろいろ集めて、知識量をどんどん増やしていくとライティングはよりレベルが高くなってきますので、やっていただきたいと思います。

最後に

引用上手な人は、話も上手ですね。お客様との会話にも引用を活用すると、反応が全然違いますよ。


松本望太郎

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