組織を一致団結して同じ目標に向かってばっと走らせるための7つのステップ。その中の3番目の「メリットを用意する」です。
これはテクニック的な意味もあるのですが、非常に便利な要素でもあります。スタッフのモチベーションアップに上手く活用してもらって美容室経営の自主活性化するチームづくりに役立てください。
人が動く条件
人が必ず動くとき、といのはどうときでしょうか。
これは単純な話です。
“快”の時、人は動いてくれます。
つまり、動くことがその人にとって喜ばしいことがあれば人は必ず動いてくれます。
人が行動する2つのパターン
人が行動する時のパターンは2つあると言われています。
1つはこの「快」。
もう1つは「不快」です。
「快」つまり、これやったら自分にとってすごい楽しいことがあるなと思った時に人はどんどん動いてくれます。
逆に「不快」というのは、すごく困っている時。つまり、すごく歯が痛くて困っているとか、そういう時はどうしようもないからばっと動きますよね。虫歯を治しに歯医者さんに行ったりだとか。
人は、快と不快、この2つの感情によって動くと言われています。
そして、組織の場合は「快」ですね。
喜びの方で動いてもらうようにしていくのが大事です。それがメリットを用意するということです。
メリットを用意できなかった失敗体験・・・
私が以前、「涙のシャンプー」を出版するために、その企画を通すために1000冊事前注文をとるといことをやりました。これがなかなかうまくいかない。なかなかうまくいかない時、知り合いの社長さんからこういう指摘をメールでいただいたのです。
「松本さんからメールをもらって、事前に1000冊注文とるということで僕のところでも何冊かどうかという話をいただいたけれども、結論から言うと買うつもりはありません」というふうに断られたんです。
彼はその後、すごく丁寧に理由を説明してくれました。
「なぜかというと、もし僕にとってその本を買うべきメリットがあるとすれば、そのことをちゃんとプレゼンしてくれて、自分がそれは確かにそうだなと思ったら買うつもりがあります。
しかし、今、松本さんがやっていることは情熱のようなもので押し切ろうとしている。僕のメリットのことは何も考えてくれてない。だから買いたいというふうに正直思わなかった。だから買うつもりはありません」
というメールをしてくれました。
まさにその通りでした。僕はその時すごく反省をしたんですね。
組織のメンバーに動いてもらうためには、その人のためにとっていいこと(メリット)がないと、人はなかなか本当の意味で動いてくれません。そういうのも作ってあげるべきなのです。
メリットのつくり方の5種
メリットを考えるときに、ヒントがあったほうがいいと思いますので、5つ用意しました。
1、ご褒美系
まず「ご褒美系」です。
例えばみんなで達成したら焼肉食べに行こうよとか、です。このご褒美系はとても分かりやすいメリットです。よって活用しやすいですね
内面の報酬系
「内面の報酬系」ということで、例えば、がんばって達成した時に、自分に自信がもてるよね、自信というものを今回手にしてほしんんだ、ということをきちっと伝えて動機付けをする。この内面の報酬系メリットを訴求するのも非常に大きな手だと思います。
ねぎらいの報酬系
がんばった時にそのがんばってくれた本人をいかに労うのかです。これは言葉で労ったりします。労いの報酬を常に用意しておくと頑張りたい気持ちになってきますよね。内面とか労いというのは内側の話ですね。
立場の報酬系
「立場の報酬系」ということで、これはいわゆるポジションが上がる、店長になるですとか、出世的なものです。ここにモチベーションを感じる人も少なくありません。そういう人にはとくに効きますね。
なやみの解決系
なにかしら悩んでいるスタッフがいた時に、その悩みをうまく解決してあげる、これをメリットとして用意してあげるのもいいのかななんて思います。
たとえば指名売上が伸びず、悩んでいる人がいたとする。そうしたらそのスタッフに、「今回二人三脚で一緒にがんばってやって、指名売上を上げられるようにやってみようよ。そうしたらそれが君にとっての経験値になって、自分の中のノウハウになっていくよ」
というストーリーで、メリットを用意してあげたりすることです。
今回、がんばることで悩みが解決するよ、という道筋をつくってあげる、見せてあげるわけです。
最後に
5種類のメリットをご紹介しました。
ご褒美系
内面の報酬系
ねぎらいの報酬系
立場の報酬系
なやみの解決系
この5つの中からスタッフ一人一人にどんなメリットがあるのか、今回の目標や活動、プロジェクトを進めていくと、どんなメリットが君にあるのかというのをちゃんと説明してあげてほしいなと思います。
自分にあったメリットがあると人は動きやすくなります。
何のためにやるのかとかそういう大義名分を伝えていくのとともに、セットで一人一人のメリットをぜひ用意して動機付けしましょう。
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