松本望太郎

「お客様の喜びの声」というシート、1枚の紙ですがとてつもないパワーを秘めています。

例えば、このシートを導入したお店で、もともと売上800万円くらいでしたが、お客様の喜びの声をお店の内外に掲示することでて、なんと1000万円の売上を越えてしまいました。

売上アップ効果もありますし、モチベーションアップにも使えるので、ぜひ導入してみましょう。

お客様の喜びの声とは?

具体的には下記のようなシートを使ってお客様に声を書いてもらうというものです。

つぶれそうな干物屋さんのV字回復物語

この紙はいったいどこから発想を得たのかというと、「じじや」という干物屋さんです。

北九州の門司港にある干物屋さん。ここの経営者は秋武さん。『売れた!売れた!「お客様の声」で売れました!』という本を出版しています。この本を参考にしました。

門司港という港町にありますから、観光客の数によって売上が変わってきてしまいます。

初代から二代目に変わった時、売上がすごく悪くなってしまったそうです。
そして、銀行さんから「すいません、もう、ちょっと厳しですね」ということで倒産寸前。

その時に、秋武社長がどうしようかと手を打ったのが、

「お客様の声を集めよう」

ということだったそうです。

そして集めたお客様の声を、DMの封筒にびっしり掲載したり、ニュースレターにも書いてたり。

これをやるようになって急に売上が回復してきて、1億円くらいだったりのが、2億円以上の約2倍になったということで、本には紹介されていました。

実際に門司港に行ってじじやを訪れてみましたがすごかったです。

事務所は15坪くらいでしたが、壁4面の全部お客様の声がびっしり貼ってあります。。
それだけじゃなくて天井にも貼ってあるんです。

足の踏むところ以外は全部貼ってある。ずらーっと何万ってあるそうです。

お店にもどでかいファイルにファイリングされています。そのファイルの棚だけで何メートルもあるような感じです。

お客様の喜びの声を集める方法

この手法、美容室だけじゃなくていろんなお店で今までやってきました。そのノウハウをお伝えします。

シートの準備

まず、下記のリンクからシートのエクセルファイルをダウンロードしてください。
⇒喜びの声シートはこちら

デザインはわざとそっけなく作っていますので、自分たち流に書き換えてもらってもいいです。手書きの方がいいなという人は手書きで作っていただいても構いません。作り直していただければと思います。

ただ下記のところは変更しないで使ってください。


  • 喜びの声を書いてもらう場所の大きさ
  • タイトルと冒頭部分のあいさつメッセージ
  • お客様の住所などの記入欄の場所と内容
  • 個人情報保護について

実例!

いくつか実際にいただいた声をご紹介します。

街のでんきやさん

デイケアサービス

美容室

こういう感じでお客様の声をとります。

お客様は、結構書いてくださいます。全てのお客様からいただく必要はありません。書いてくれそうな人からしっかりといただきましょう。

喜びの声による効果

売上アップ

これをやるとまず1つは売上が上がるという効果が出てきます。

お客様の声をいただいて、掲載してもいいかという部分がありますから、匿名なものは匿名にしてニュースレターに書いたり、お店に掲示したりとか、お店の前に掲示したりとか、チラシに入れたりとかします。

先ほどお伝えしたとおり、800万円だったのが1000万円になったという事例もありますから、活用しましょう。ここに関しては量が大事になります。

従業員のモチベーションがアップ

あと、従業員のモチベーションがアップします。

このことに実感された経営者さまの声をご紹介します。

女性経営者

「喜びの声」は私たち経営者にとってももちろん嬉しいことです。
しかし、もっと嬉しかったのはスタッフが喜んでいる姿です。

スタッフのモチベーションを上げるために今までいろいろ試行錯誤してきた私にとって、
こんなに簡単な方法があったとは!!目からウロコでした。

私たちリーダーがスタッフを褒めることも、もちろん大切ですが・・・。

本人が自ら、自分のしている仕事の価値というものをわかること。
そのことでどれだけのお客様が喜んでくれているかを知ること。そうすることで、仕事への思い、
お客さんへの思いも大きく変化すると感じました。

「喜びの声」はまさにダイレクトにお客様がスタッフを褒めてくれる素晴しいツールです。

やる気になっくるとお店というのは売上含めどんどん良くなっていきますので、相乗効果も発揮しますね。

自店の強みがわかる

その他、「自店の強みに気付ける」という利点もあります。

ここも先ほどの経営者さまの声をご紹介しましょう。

ちなみに街のでんきやさんを経営されています。近隣の世帯さん、特にご高齢の方が多いのですが、そういう方に家電を販売したり、アフターサービスをしたり、電気工事をしてあげたりしています。

女性経営者

「喜びの声」の褒められている内容が共通していることがわかりました。
つまりそれが私たちのお店の強みだということです。

意外だったのは、感動を与えようと思ってしているスペシャルなことより、
いつも当たり前にしていることへの感謝のほうが、断然多かったということです。

「すぐに来てくれる」
例えば電池持ってきてと言われたらすぐに行ったりするわけですね。
リモコンの使い方が分からない、これもすぐに行くわけです。

「相談できる」「小さなことでも頼みやすい」「従業員の態度がいい」「いつも笑顔」・・・など

イベントが楽しみ、誕生日のプレゼント、旅行が良かった、・・・。
などは完全に少数意見でした。

そこで気づいたことはさらに「迅速に」「相談しやすく」「いつでも笑顔で」
「対応を良くする」などを強化をすれば、もっと!もっと!喜んでもらえるのではないかということです。

難しいことをするのではなく、いつも当たり前に行っていることを今度は意識をして、
強化をしていけばさらにお客様が感動すること間違いなし!!ではないでしょうか

自分の強みに気付ける。これは自分ブランドをつくるのに非常に重要ですので、大事なメッセージになってきます。

販促ツールに利用できる

売上アップのところと重複しますが、同じ経営者さまの声で改めてお伝えします。

女性経営者

ホームページやニュースレター、お店の展示などに使用することでお客様への信用度が上がると思います。特に新規のお客様には有効です。

ニュースレターやブログやホームページなどで、一方的に情報を与えていただけだったのが、双方型になるきっかけになったと思います。

これからはいろいろな意見聞けることができるのではと期待しています。

感謝の醸成

こんな声もありますね。

女性経営者

書いていただいたお客様が大好きになってしまいます。

忙しい中、書いてくださったこと。(こんなにたくさん書いていただけると思っていませんでした)
意外なお客様が書いてくださったこと。
また、みなさんが本当にこのお店を大切に思ってくださっていたこと。

改めて気がつくことができて心から感謝です。

自然に笑顔になれました。お礼状も心をこめて送りました。指が勝手に動く感覚は久しぶりに味わったような気がします。

そして仕事を始めたばかりの頃の純粋に喜んでいただきたい!そんな気持ちで仕事を取り組めるようになりました。

具体的にもこれを機に以前よりニュースレターを作る回数も増えました。

デイケアサービスでこのお客様の喜びの声をやった時、80何歳かのおばあちゃんが書いてくださいました。ここにはドラマがありました。

施設長がおばあちゃんに「喜びの声書いてください」と言ったら、おばあちゃんが「だけどね、私ねもう指が震えて文字書けんのよ」と。

施設長が「おばあちゃんが言ってくれたら私が代筆で書きますよ」というふうに言ったら、

「だけどね、いつもお世話になっているからね、感謝の気持ちは自分の手で書きたいわ」と言って

「ペン貸して」

といって書くわけですが、プルプル震えて文字にならない。
けど、すごいがんばっておばあちゃんが書いてくれました。

で、それを見ていて施設長の目からは涙があふれてきました。

本当にお客様に対してもっともっと気持ちが乗ってくる、そんな効果があるのです。

100枚、集めてみよう!

最初なかなかとれなかったりするかもしれませんが、コツコツやりましょう。

1ヶ月か2ヶ月くらい継続すると50枚、100枚と集まります。

コツとしては、

書き方の記入例があるとお客様にお見せする

です。

最初は自分でダミーで書いて、それをお見せして「こんな感じで書いてくださいね」で結構です。

次に、お客様が3、4人書いてくださって、その人が他の人に見せてもいいよにチェックしていればそれをコピーして見せて、「こんな感じで書いてくださっています」とお見せします。

最後に

お客様の喜びの声、魔法のようなツールですので、ぜひ頑張ってトライをしてみてください。

やるにあたって質問等あれば、コメント欄に書いてくださればお応えさせていただきます。ご不明な点はどうぞ遠慮なく!


松本望太郎

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