「FOODIT TOKYO 2017」というイベントで、堀江貴文氏がトークショーをされたそうです。
「外食の未来が生まれる場所を作ろう」というテーマのイベント。

そこでは、「
外食には30年間イノベーション(経営革新)が起こってない」と
議題にあがったそうです。

具体的には1970年代から80年半ばまでに
ファミリーレストラン・ファストフード・大きな居酒屋が台頭し、
ポスレジが登場し、日本の外食産業がガラっと変わった。
しかしそれ以降は変わっていないという指摘。

その中で堀江貴文氏は、こう言っています。

「飲食の究極の形って何だと思いますか?
僕がたどり着いた結論は『スナック』なんですよ。

キングコングの西野君とか、SHOWROOM社長の前田さんとか、
時代の最先端をよみながらアウトプットしている人間が共通してスナックにたどり着いています。

(中略)

飲食の究極の形ってコミュニケーションだと思うんです。

恋愛感情があってママが好きというのじゃなくて、人間として好きなんですよね。
あるいは雰囲気が好きとか、常連がいるとか、仲間がいるとか。

人にいやされる場がスナックなんですよ」

経営革新というとITだとか考えてしまいますが、
堀江氏は人とのコミュニケーションにその可能性を感じているようです。

そしてそれは私もとても共感するので、
そのことを、一人美容室、個人美容室、飲食店の集客アイディアと結び付けて考えてみます。

スナックとはどういう業態か

実は私は結構、スナックが好きです。

以前は地方出張するとその地のスナックにふらりと必ず入っていました。

スナックは大体、カウンターがメイン、すこしボックス席がある席配置。
すこし年上のママの他、ひとりかふたりくらいの従業員さん。

ママなんかと話ながらお酒やちょっとしたつまみ、カラオケを楽しむようなところ。

カラオケを除くととてもカジュアルなBARに近いとも言えます。

そしてスナックの醍醐味は、横に座っている常連さんとも仲良くなれるところです。

地方のスナックなどは、かなりの確率で、カウンターに地元の会社の社長さんとかがいます。
そういう方と気軽に会話を弾ませることができ、とても有意義な時間となるんですよね。

チェーンの居酒屋では、他のお客様とつながることはないですものね。

この、つながりの場、として機能しているのがスナックです。

週に3日、4日と通っていたBAR

私が20代後半のころ、埼玉県に住んでいました。

そのころに週に3回、4回と通っていたBARがとても素敵でした。

初老のマスターがやっているお店。
常連さんがすごくついているお店でした。

ですから、行くと、必ず誰かしら常連がいます。

「やー、どうも」とあいさつしながら乾杯。
たわいもない話、仕事の話をしながら、明日への英気を養っていました。

単にお酒だけ飲みたいのだったら、あそこまで何度も行かなかったと思います。
いつものメンバーと、待ち合わせをするとか面倒なこともなく、
温かくつながる場だったんですね。

浜松の家のそばのやきとり屋さんもそうでした。

行くと、必ずカウンターにいつもの常連さんがいる。
そしてなんとなく、柔らかな空気でコミュニケーションをとっていく。

この空気感こそが、お客様を惹きつけるものですね。
そしてスナック業態の他にはない強みなわけです。

お客様をつなげるという発想

このお客様をつなげて空気感をつくるというのは、いろんな業態でできますよね。

別にスナックでなくてもいいのです。

読書のすすめの水曜会とトン汁の日

東京江戸川区の篠崎駅から徒歩8分くらいのところに、
読書のすすめという本屋さんがあります。

すごく有名な本屋さんで日本中からお客様が訪れます。
私も35歳くらいのころの2、3年間、毎週のように通っていました。

当時、水曜会という飲み会がありました。
毎週水曜日は18時くらいから近所の居酒屋で飲み会が開かれている。
ふらりと訪れると、読書のすすめの店主や常連客が飲んでいる。
そこで、いろいろな話が交わされるわけです。

寒い時期とかはトン汁の日とかもありましたね。

お店の店頭ででっかい鍋でトン汁を作ってふるまっているんです。
常連客もご新規さんも鍋に群がり、つつきながら、座っていろいろと話をする。

そこに、つながりのあるコミュニティができるわけです。

街のでんきやさんの旅行企画

パナソニックのでんきやさんのコンサルをしていたとき、
とても感銘を受けたのが、
やっぱりお客様のつながりを作るのが上手だったことです。

街のでんきやさんたちは、いわゆる家電量販店と差別化をする必要があるので、
お客様との距離をどこまで近くするかが生命線でした。

だからそのためにできることはいろいろとやっているのです。

例えば、旅行企画。
バス1台を貸し切って、お客様と1泊2日の慰安旅行にいったりするのです。

つながりの密度がグンと増すことでしょう。

理美容室でやってみたらどうだろう?

ところが、理美容室というのは、お客様同士のつながりは少ないですよね。

スタッフさんとお客様が仲がよいことはあると思いますが、
お客様とお客様が仲がいいことはあまりありません。

チェーンの理美容室とかは別として、個人の理美容室とか、スタッフ2、3人でのお店とかですと、
ここに伸び代があるような気がします。

思い切ってお客様同士をつなげてみましょう。

スタッフ2、3人でやっている理美容室と考えてみましょう。
Aさんというお客様、Bさんというお客様がとなりのセット面座っていて、
それぞれスタッフが接客しています。

Aさんと例えば近所のラーメン屋の話になったりする。
そのときにAさん担当のスタッフがBさん担当のスタッフに話かける。

「●●というラーメン屋さん、行ったことある?」

それをきっかけに、
Bさん担当のスタッフはBさんにもそのラーメン屋さんの話をふります。

「Bさんは、行ったことあります?」みたいな感じですね。

こうやってAさんとの会話をパス、パスとしてあげると、
その後は自然と4人での会話になります。

この会話のパス回しでつながり感は作れますね。

個人の理美容室だとお客様とマンツーマンかもしれませんので、
お客様同士はかぶらないですよね。

そういうときはイベント的なことをうまく使うといいですよね。

読書のすすめみたいに店頭でトン汁の日をやってもいいですし、
ボーリングやバーベキューなんかもいいでしょう。

お客様が集まるきっかけをつくって、そこでつながってもらえばいいわけです。

アットホームな店です、を打ち出すお店はありますが、
本当の意味でのアットホームというのは、
そこに人と人とのつながりがある業態だと思います。

古いようで、実はこれからの新しい業態の在り方かもしれません。

と考えると、一人美容室や個人の飲食店の集客のカギになるでしょう。
いろいろなアイディアを出して、ぜひ実践してみると面白いですね!


松本望太郎

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