美容室や飲食店を経営していると、月の売上などの数値目標がありますね。
目標を立てただけで、なんとなく追いかけたりしてませんか。
それではやっぱり達成確率は減ってしまいます。
この目標はこのようにやったら達成するぞ!と頭の中てパズルがピタッとはまるようになっている
と、成功確率が高くなります。
売上目標は客数と客単価に分解する
まず、目標を分解します。
(以下、10月頭のミーティングで11月の目標とそのためのアクションを決めているシーンを想定していきます。)
例えばスタイリストのAくんの11月の売上目標が150万円(店販売や商品販売除く)だとします。
過去の客単価を参考に、客単価の目標を決め、そこから客数に分解します。
客単価8200円とすると、客数は183人となりますね。
ここはカンタン!
というわけで183人の集客をどうするか、この後、考えます。
確実にくるお客様、おそらく来るであろうお客様を数える
11月に来店するであろうお客様を数えます。具体的には3つのパターンを計算して合算します。
1、新規客の見込みをカウント
まず大体、新規客がこのくらいくるな、という数値があると思います。
その中で自分が入れるであろう新規客の平均があると思うのでその人数をカウント。
2、予約済みのお客様をカウント
美容師さんの場合、すでに予約が入っていると思いますので、
まず、その人数をカウント。ここは固いところですね。
3、来店周期での見込まれるお客様をカウント
次に、常連さんの来店周期を見ながら、黙っていてもその月に(ここでは11月)来店するだろうお客様をカウントします。
ただ、このお客様は確実性が若干劣るので、8割から9割くらいの来店としておきましょう。
というわけで、例えば、
新規客への入客・・・10人
すでに予約が入っているお客様・・・37人
来店周期的にくるであろうお客様・・・127人×0.9=114人
合計・・・161人
という具合に、目標の月に確実に見込まれる客数を計算します。
【ポイント】
来店周期の把握がお客様ごとにできない場合は、直近6カ月の客数平均を取ります。
その客数平均をみて、徐々に伸びていれば、平均より少し多い人数、逆に減少傾向にあれば、平均より低い人数を見込み客数にしてみましょう。また、季節的に客数が伸びやすい12月とか、逆に減りやすい2月や8月は、その季節変動も加味してみてください。
過去の売上や来店数から予測売上(先読み売上)を計算する方法がございます。下記の記事より、先読み売上計算シートのダウンロードとその使い方がわかりますので、ご覧ください。
目標客数と見込み客数のギャップから上乗せ客数を出す
上記のケースですと、目標客数が183人、見込みが161人ですから、ギャップ(差)が22人ですね。
ただ、22人ぴったり上乗せしようと考えて、行動を考えると、思ったより反応がとれないときに目標に届かなくなりますから、ちょっと上乗せします。
具体的には、1.3倍から1.5倍くらいの上乗せ客数が適切です。
というわけで、
22人×1.3=28.6人、ですので29人の上乗せできるアイディアを考えましょう。
上乗せ客数を分解する
29人の上乗せが必要なことがわかりました。
では、どうやって上乗せするのか、分解していきます。
上乗せ客数をうめる、美容室や飲食店の集客アイディアは無数にありますが、代表的なものを今から、事例として解説していきます。
まず考えるべきなのは、
目標月の翌月に来そうなお客様の前倒し。
ここが柱になります。
お客様ひとりひとりの来店周期をみて、目標月の翌月の前半に来そうなお客様のリストをつくります。
上記のケースでは11月の目標へのアクションを決めていますから、12月初旬から中旬くらいまでに来店しそうなお客様のリストをつくるわけです。
リストをつくったら、例えば50人いたとします。するとアクションとしては、
①12月前半に来店しそうなお客様50人にハガキで来店促進。50人中15人の前倒しを目標にする
といった具合に、ひとつのアクションと、それによる上乗せ人数の目標を決めます。
さあ、これで29人のうち15人。残り14人。さちにアクションを考えましょう。
次に来店周期が半年とかすごく長いお客様の内、11月に来店しなさそうな人のリストをつくるといいでしょう。
半年に1回くらいの周期で来店するお客様っていると思うんです。前回来店が8月だとしたら、普通だったら、次の来店は、2月。
そういう人、ひとりひとりに来店してもらう理由をつくってアプローチする案を練るわけです。
例えば、髪の毛が細いことを気にして、頻繁に切らずに、半年に1度切って、その後の伸ばして、また半年たったら切って、というお客様がいたとします。
髪質にお悩みをお持ちでしょうから、
「トリートメントとかで髪の栄養補給しませんか、夏の紫外線でのダメージのケアと、これからの乾燥の対策として、11月ころに来店されることをおすすめします」
といった形で、その人に向けて親身になって提案すれば、来店周期の真ん中くらいでも来店してくれるかもしれません。
そこで、
②来店周期が半年以上で11月来店見込みのないお客様20人に対してハガキを送る。5人来店目標
みたいなアクション&目標設定します。
ちなみにこれで残り9人。
次に休眠客の掘り起こしも考えてみましょう。
確率的にはそれほど望めませんが、可能性は十分にあります。
半年から1年くらい来店していないお客様のリストをつくり、アプローチします。
100人以上になるケースが多いと思うので、できればメールのほうがコスト的にいいでしょう。
ただ、反応率はそれほどは見込めませんので、ここは辛口で見込みにします。
③休眠客200人にメール。4人来店目標。
これで残り5人!
やっぱり固いのは自分の友人、家族。
ここはお願い営業ですね。
ここもアクション&目標設定します。
④友人・家族を誘って3人来店目標
また、結構確実なのが、私がサテライトと呼んでいる、仲の良い地域のお店からの紹介新規集客。
(サテライト集客についての詳細な記事はこちらをクリック)
あなたがよく行く飲食店とかで、そこの来店客と仲良くなって、そこから来店のお誘いをしてみましょう。
⑤仲の良いお店に行って、そこから紹介してもらうか、自分でお客と仲良くなってお誘い。ここで2人来店目標。
と、ここまでで、29人の上乗せ集客アイディアになりました。
まとめると、
アクション | 母数 | 目標 |
①12月前半に来店しそうなお客様50人にハガキで来店促進 | 50人アプローチ | 15人来店 |
②来店周期が半年以上で11月来店見込みのないお客様に対してハガキを送る | 20人 | 5人来店 |
③休眠客にメール | 200人 | 4人来店 |
④友人・家族を誘う | - | 3人来店 |
⑤仲の良いお店に行って、そこから紹介してもらうか、自分でお客と仲良くなってお誘い。 | - | 2人来店 |
合計 | 29人来店 |
といった感じです。
ここに出たアイディアはひとつの例ですから、他にも上乗せ集客を期待できるアイディアはいくらでもあります。
例えばこのケース、10月の頭に11月目標のアクションをつくっているわけですから、10月に入客したお客様から11月中の次回予約をとってみる。これで30人とか、上乗せできるかもしれません。
お客様のヘアスタイルがすごく似合ってできたときに、お客様のフェイスブックで写真とコメントを投稿してもらって、口コミを狙ってもいい。50人のお客様がSNSに投稿してくれたら、そこから5人くらいの新規集客につながるかれしれません。
10月中に紹介カードをどんどん配布してもいいと思います。お客様によっては3枚とか紹介カードを持って帰ってくれる人もいますから、200枚配布してそこから5人くらいの新規を見込んでもいい。
ハントが得意な人もいると思うので、ハントで10人集客上乗せできるかもしれません。
(ハントとは街にでて、通行人に声をかけて来店の約束をすること)
ネット広告なんかで新規集客を狙うのもアリです。
いろいろなアイディアを考えて、そのアクションで見込める集客数を想定して、アクションリスト化していきましょう。
まとめ
目標と見込みからギャップを計算して、そのギャップを埋める策(アクション)を考えます。
アクションはいろいろな方法があります。
上記を参考にして、あなたがやりたいこと、うまくいきそうなことからやっていきましょう。
大事なことは、
ひとつひとつのアクションに対して目標集客数を決めること
アクション毎の目標集客数の合計がキャップを埋めるのに十分であること
です。
また、ひとつのアクションで目標数を決めるというのは、そのアクションでの効果性をあとで検証することができる、という利点もあります。
たとえば、翌月来店見込みの人に、こんな文面でハガキを送ったら、反応率が20%だった。ではそれを50%にするにはどうしたらいいのだろうか、という具合に、アクション、集客アイディアの精度がどんどん高まっていきます。
検証された経験、記録された経験は、あなたの集客アイディア力を飛躍的に向上させますから、ぜひやったほうがいいですよ。
また、目標とその達成のためのアクションプランをつくったあとは、いわゆるPDCAを回す、というマネジメントをすると達成確率がグンとあがります。
これは、P(PLAN・計画)/D(DO・実行)/C(CHECK・確認や検証)/A(ACTION・軌道修正)を繰り返し行うことで、着実に目標に近づくためのマネジメント方法です。PDCAの運用にも大切なポイントなどあります。
ぜひ下記のリンクより、詳細な記事をご覧ください。
美容室目標達成の秘訣!マネジメントサイクル・PDCAの高速化