魔法の質問の2つ目「理想を聞く」。お客様がどうなりたいのか、ここをしっかりヒアリングできて、握り合うことができると、お客様のよき支援者としての立場がとれます。お客様からの信頼をガッツリ獲得できます。ですから、この後に美容師とさして提案したときに喜んでもらって売れる、という状態が作れるわけです。この「理想を聞く」ときに重要なことをまとめました。

表面的欲望だけ聞くのはNG

どうなりたいですか?あなたの理想は何ですか?このような質問したときにポッと出てくることが本当のものかわかりません。息子に「大学はどこ行きたいの?」と聞いたとします。彼は「東京理科大に行きたい」と言ったとします。もしかしたらそれは表面的かもしれない。例えば友達への体裁を考えてのことかもしれない。そこをわかってあげないとその後のコミュニケーションのボタンを掛け違ってしまいます。

感情を聴くことが重要

人は自分の心をわかってほしいのです。本当の心をです。先ほどの大学受験の話であれば

東京理科大に行きたい

がんばっている友達と比べて恥ずかしい志望校は言えない

受験に対しての不安や希望が入り混じっている

などが心の中にあるのです。そこをわかってあげることができれば、共感してあげるのことができれば、相手は心をさらに開いてくれます。

なぜ×3回聴く

そのためのテクニックがなぜ×3回です。3回というのは目安ですが。実際に1、2回のなぜでいいかもしれませんし、5回、6回と必要なときもあります。例えばお客様でこんな人がいたとしましょう。
「松田龍平みたいな髪型にしてください」
ここで、はい、わかりました、と写真で確認してそのまま切ってはいけません。なぜ、が必要です。

スタイリスト

「なんで松田龍平さんのこの髪型がいいんですか?」


男性客

「あぁ、髪型自体が好みなのと、この間出てたドラマの松田龍平さんの役の人がすごくいい人で憧れるんですよね」


スタイリスト

「すごくいい人の役だったんですか?」


男性客

「そうなんです。周りの人に優しくて細かい心配りができて」


スタイリスト

「そんな感じの人が理想なんですか?」


男性客

「そうなんですよ!」


スタイリスト

「ちなみになんで優しくて心配りのある人になりたいんですか?」


男性客

「そうしたら職場でももっと過ごしやすいというか、楽しくなるかなぁって」


スタイリスト

「そうですか、わかりました。じゃ、○○さんから優しさみたいのが滲み出るような雰囲気作りながら、松田龍平さんの髪型に近づけていきますね」

みたいになるわけです。お客様は素人ですから、この髪型がいいんです、というのがその人に似合うものか、わからないですよね。だからこそ深掘りして、お客様の心の中をカタチにしていくことが大切になります。

こうやってお客様の理想を深堀りして、その心の中、本音や感情をわかってあげることができますので、「なぜ」×3回、ぜひ実践してみてください。