先日、美容学生向けの就職フェアに参加しました。
クライアントのブースのお手伝い。

そのときに思ったこと。

出展している美容室はみんな、とてもがんばっていました。
どのブースもとてもしっかりと作られ、美容学生を迎え入れていました。

しかし気になったことが・・・

ほとんどの美容室は

社会保険完備

完全週休2日

2年(1年のところもありました)でスタイリストデビュー

アットホーム

離職率が極めて低い

そういうことを一番の訴求ポイントとして打ち出していました。

当然、学生たちが一番に気にするポイントだからでしょう。

 

もちろん、社会保険に入るのはルールだし、週休2日も大賛成。

しかし、そういう待遇面こそが就職先を選ぶ最大の鍵になっていることには違和感を覚えます。

 

私がお手伝いしていた美容室は、東京、シンガポール、メルボルンの3店舗。
なかなかユニークですよね。

海外で働きたい美容師さんは一度、話を聞きましょう
というスタンスで呼びかけていました。

すると、海外に興味がある学生がやってきます。

けど話をしていると、
社会保険とか福利厚生とかそういうことが一番の選択理由なんですよね、
という学生がやっぱり多い。

 

その時に、こういう話をそこの店長さんにししてもらいました。


なぜ、海外で、しかもアジアでお店を出しているか、わかるかな?

それはね、シンガポールとかアジアは今、人の数が増えているからなの。
日本は逆に今、減っているでしょ。

人口が増えるってすごく大事なことなのね。

10年とか、20年前は、日本の美容室はいっぱい新規が来てくれた。
人の数も増えているし、店の数も今より少ないから、広告出せば、100人とか来てくれた。

新規のお客様が100人いるのと、10人しかいないのでは、全然違う。

だって君がスタイリストデビューしたら、お店の新規のお客様を中心に入客するでしょ。
そのとき担当できるお客様の数が全然ちがうもの。

やっぱり数をこなさないと技術は上手くならないから、
ご新規さんにたくさん入れる環境って、やっばり技術者として伸びる。

数年後に指名のお客様の数が全然違う。
当然給料だって変わる。

アジアは今は、人が増えているから、バブルの時の日本みたいなわけ。
上手に広告を打てばいっぱい新規客がくる。

今、日本では10の努力をしても、もしかしたら3とかしか結果がでないかもしれない。
けど、アジアなら、10の努力で15とか20の結果を出せる可能性があるんだ。

そうやって自分を切り開いていく感性が必要だと思うんだよね。


当然、待遇は大切です。

長くやっていくために環境はより自分にあったものを選んだほうがいい。

企業側も、若い人ができるかぎりのびのびと活躍できる環境をつくるべき。

 

しかし、

待遇だけを必要としていることとなったとき、成長を阻害するかもしれない。

 

まず最初に考えるべきは、

私の人生をどんな風にしたいのだろう?

だと思うわけです。

就職フェアは本来、学生にそういう視点を気付かせてあげる場だと思う。

若いときはなかなかイメージはつかないとは思いますが、

それでも、

どんな人生を歩みたいのか、

どんなライフスタイルが自分にとって憧れなのか、

そういうイメージをもって、そこから逆算して、これからのキャリアを考えていくことを伝えたい。

 

私は29歳のときに、ふと人生を振り返り、自分が何も成し遂げていないと愕然としました。
とても漠然とした人生を歩んでいるなと。

そうではなく、目的をもって人生を歩みたい、と考え、自分の未来年表を書きました。

15年後にこうなっていたいということを言葉にして、
そこから逆算して自分のキャリアを考え、そのときに転職を決意しました。

 

10社くらい面接を受けたと思いますが、全部、真剣勝負でした。

応募した会社は自分のキャリアプラン上、どこもいきたいところ。
だからどうやったら入社できるか真剣に考えました。

 

まず、とことんその会社のことを調べました。

創業者が本を出していれば、全部読んだり、
過去数十年にわたって、新聞ででた記事すべてに目を通し、
実際に店舗とかやっている会社であれば、数十店舗、視察にいったり。

1社ずつ、ファイルをつくっていましたが、100ページくらいパンパンの厚さでした。

そうやって、あるコンサル会社に入ったのです。

いまでも、あの経験はとてもよかったと思っています。

 

これはなにも就職するときにだけ考えることではいですよね。

まず

自分の人生の目的やあこがれの未来を描く。

そこから逆算してどんなキャリアをつめばいいのか、考える。

 

そのときにきっと、

ただの待遇重視だけでは、
今、この瞬間は、楽だったり、表面的にたのしかったりするだけかもしれない、

ということに気付き、

自分の思い描いた未来を手にするために、
どんな経験や技術、知識を獲得しないかいけないか明確になり、

そして,

そのためにキャリアを描く

ことができるようになる。

 

そうやって自分で自分の未来を切り開く人生を僕は歩んでいきたいと思います。

 

今日もありがとうございます。